- 注文住宅の後悔・失敗ランキング7選
- 注文住宅で後悔しないためには?
- 注文住宅におすすめの間取り
注文住宅は、土地選びや間取りなど理想の住まいを実現しやすいところが魅力的です。
一生に一度の大きな買い物である注文住宅ですが、実際に住み始めてから後悔・失敗している事例は数多くあります。
後悔・失敗したポイントは人によって異なりますが、生活してみてから不便さに気づいて後悔してしまうケースが多いです。
そこで今回は、注文住宅の後悔・失敗ランキング7選を紹介したうえで、注文住宅で後悔しないコツや、おすすめの間取りを紹介します。
これから注文住宅を建てる予定の方は本記事を参考にして、家づくりに役立ててください。
注文住宅を建てて後悔する家庭は多い?
次のグラフを見るに、購入した住宅について84.4%もの人が何かしらの後悔や不満があることがわかります。
さらに、戸建てを購入した方のなかで後悔・不満を感じた項目では、間取り・レイアウトが41.8%、つぎにローンなどの費用面が22.9%と大半を占めています。
このように、住宅購入に後悔する家庭は高い傾向にあります。
家は3回建てなければ理想の家にならないとよく耳にしますが、アンケートをみる限り1回で満足する方は少ないことがわかります。
注文住宅で後悔・失敗したことランキング
注文住宅で後悔した方の中で多いのが、間取りの後悔です。
間取りの次に後悔している項目は次のとおりです。
- 間取り
- 費用
- 日当たり
- 土地選び
- 業者選び
- 仕様・設備
- デザイン
以下では、注文住宅で後悔したことをランキング形式で紹介します。
注文住宅の後悔・失敗ランキング1位|間取り
家づくりの後悔でとくに多いのが、間取りの失敗です。
間取りは、居住人数や生活スタイルによってあわせて自由に決められるのが魅力ではありますが、自由度が高いからこそ正解を見つけるのが難しいといえます。
間取りで後悔する多くのポイントは、以下のとおりです。
- リビングが狭かった・広すぎた
- 収納が足りない
- 窓が少ない・多い
- コンセントの数が足りない
- 家事動線が悪い
- 洗面所と脱衣所を分ければよかった
- 玄関が狭い
- トイレの設置場所を失敗した
- 音やにおいが気になる
子供が大きくなって一人暮らしをはじめてから、使わない部屋が出る・今の生活に間取りが合わなくなるなどの後悔する方もいます。
住んですぐに後悔する場合と、家族形態が変わってから不便に感じる場合があります。
リビングが狭かった・広かった
LDKは広すぎても狭すぎても不便に感じます。
住宅費用を節約しようと部屋の面積を最低限にしてみたが、実際に住んでみたら狭かったという後悔は多いです。
リビングが狭いと置きたい家具のスペースが足りなくなったり、近くの扉が干渉してしまったり、不便に感じることが多くなります。
また、リビングは広ければいいと考えて面積を広く取ったけど、エアコンや暖房の効きが悪い、子供の様子が確認しにくいなどの不便に感じることも。
リビングが広いと、家具の配置が楽であることや、運動スペースが作れるなどのメリットもあります。
しかし、部屋が広いぶん夏や冬は光熱費は高くなってしまいます。
使いやすいリビングの広さは人によって異なります。SNSやインターネットで調べた情報のみを参考にしすぎないことがポイントです。
収納が足りない
間取りの後悔で、「収納が足りなかった」という声も多いです。
収納が足りないと、部屋が物で溢れて散らかりやすくなってしまいます。
たとえば、玄関収納が家族の人数に対して少なすぎると、玄関が靴で溢れかえってしまいます。
また、あとから収納を増やそうとしてタンスなどの収納家具を増やすと、部屋が狭くなってしまうのと、収納家具の購入で思わぬ出費につながります。
注文住宅を建てる際には、収納の目安は坪数の10%といわれています。
これよりも収納のスペースが少ない場合は、住んだあとに収納が足りなくなる可能性が高くなります。
そのため、間取りを決める前に収納スペースを検討し直すべきかもしれません。
窓が少ない・多い
窓の数や位置、大きさなどは平面図では分かりにくいことから、後回しにしてしまって後悔・失敗に繋がるケースも多いです。
窓は少なくても多すぎてもそれぞれ後悔ポイントがあります。
窓の後悔ポイントは以下のとおりです。
- 窓が少ないと冬場は寒くて夏は熱い
- 窓が多くて家具の配置に困る、冬は暖房効率が悪くなる
- 窓が大きくて夏の日差しが強すぎる
- 室内を明るくするのに吹き抜けを作って大きい窓を配置すればよかった
注文住宅を建てる際は、デザイン性だけで窓の位置や大きさを決めるのではなく、周辺環境や使い勝手にも配慮してこだわる必要があります。
また、家具の配置や日光が入ってくる位置、土地の高さや風向きも考慮して決めるようにするのがおすすめです。
コンセントの数が足りない
コンセントの数が足りない、またはコンセントの位置が悪くて使いにくいなどといった生活に不便を感じて後悔する声も多いです。
家具や電化製品を配置する位置を考えずにコンセントの場所を決めてしまうと、コンセントが隠れてしまう場合があります。
また、コンセントの数がそもそも少なくて、家電を使いたい場所にコンセントがなくて不便に感じるケースも多いです。
生活動線や家電の置く位置を考えて、コンセントを設置すると良いでしょう。
家事動線が悪い
生活するうえで家事は毎日することなので、家事動線が悪いと不便に感じます。
暮らしの中で家事を効率よく行えるように、洗濯機やキッチン、収納スペースの位置を近くにして、無駄な動きがなくなるように家事動線を設計します。
しかし、料理をしている合間に家事をしたくても洗濯物を収納する場所が遠い、1階と2階を行き来しなければいけないなどの家事動線が悪い場合は不便に感じるため、毎日の家事が負担になって後悔や失敗に繋がります。
洗面所と脱衣所を分ければよかった
洗面所と脱衣所を分ければよかったと後悔するケースは、女の子がいる家庭に多くあります。
洗面所と脱衣所が一緒になると、家族の内ひとりが入浴している間は、ほかの家族は歯磨きや顔を洗うなどといった洗面所を使いにくくなります。
着替えている途中に別の家族と鉢合わせをするのは、避けたいものです。
また、洗濯物を放置していると生活感が溢れてしまいます。脱衣所や洗濯機まわりはゴチャゴチャしやすいので、人を招くのも遠慮しがちになります。
注文住宅の後悔・失敗ランキング2位|費用
間取りの次に多いのが、費用面に関する後悔・失敗です。
- ローン返済が大変
- 土地にお金がかかりすぎた
- 外構費用やオプション、設備にお金をかけすぎた
- メンテナンス費用が予想よりもかかってしまった
注文住宅は数千万円もするので、お金の感覚が麻痺して数万〜数十万程度の金額は小さく感じてしまいがちです。
そのため、追加で設備のオプションをつけて予算オーバーしてしまったケースも少なくありません。
予算オーバーしたことで住宅ローンの金額も大きくなり、ローン返済が大変で失敗したと感じるようです。
また、将来のメンテナンス費用を考えていなくて、予想していたよりも数年後・数十年後にお金がかかってしまう場合もあります。
屋根と外壁は10年から12年の間に塗り替えが必要です。トイレやお風呂など水回りの設備は20年を経過すると交換する必要があります。
注文住宅を建てるときに設備にこだわりすぎてしまうと、将来に予想以上の費用がかかる可能性があるため、住宅購入後にかかるメンテナンス費用のことも視野にいれておくと良いでしょう。
注文住宅の後悔・失敗ランキング3位|日当たり
日当たりに後悔している方のなかには、日当たりが悪い家、日当たりが良すぎる家それぞれがデメリットを感じているケースがあります。
- 日差しが強くてテレビが見づらい
- 日当たりが悪くて日中も電気をつけなければいけない
- 結露が多くなってカビが発生する
- 日当たりが悪くて洗濯物が乾きにくい
間取り図を見ただけでは、日当たりや風通しは想像しにくいです。家を建てる方角や周辺状況をみて工夫しないと、後悔や失敗につながる可能性があります。
日当たりが悪い家では、日中も電気をつけなければいけないため光熱費が高くなることや、洗濯物が乾きにくい、結露でカビが発生しやすくなるなどの後悔があげられます。
カビは空気を汚すので呼吸器系にも影響を与えてしまい、健康面で不安を抱えることになってしまいます。
一方で日当たりが良すぎる家は、テレビの配置を考えないと日光が反射してテレビ画面が見にくいといった不便を感じます。
また、寝室の窓を東向きにすると、朝の日差しが強すぎてゆっくり眠れない場合があります。
以上のことから、日当たりの良し悪しは注文住宅の満足度を左右することがわかります。
注文住宅の後悔・失敗ランキング4位|土地選び
実際に住んでから、周辺地域の状況や騒音などに気づいて土地選びに後悔するケースもあります。
土地に関する後悔ポイントは以下のとおりです。
- 土地が狭すぎる
- 土地が余っていて管理が大変
- 隣家との距離が近くて目線が気になる
- 車通りが多くて危ない
- 間口が狭くて希望の家が建てられなかった
- ゴミ置き場が遠い
- 隣が空き地または田んぼが近くて虫が多い
注文住宅を建てるためには、土地は必要です。
しかし、土地を見に行ったときは気づかなかったけど、実際に住んでみると隣家の騒音が気になる、土地が狭くて車が入りにくいなどの後悔ポイントは多くあります。
ペットを飼っている方やお子さまがいる家庭は、道路に面している土地だと飛び出す危険が考えられるため庭で遊ばせるには安全面も気になります。
また、間口が狭いと希望していた家が建てられなくて、理想の住まいから遠ざかってしまうことにもなります。
土地自体は安くても道路や隣地との高低差で盛土や切土が必要になり、外構費用で総額が高くなるケースもあります。
注文住宅の後悔・失敗ランキング5位|業者選び
希望の注文住宅を建てるうえで業者選びも大切なポイントです。
しかし、知名度だけで業者を選んでしまい、担当者と話が噛み合わなくて希望が伝わらなかった、契約後に追加料金がかかったなどといった後悔や失敗の声も多いです。
- 担当者と合わずに要望が伝わらなかった
- 連絡が取りにくくて不安になった
- 契約後に追加料金がかかった
業者選びは、信頼できる担当者を選ぶのも大切です。業者選びをしっかりすることで、信頼できる担当者に出会える確率も高くなります。
しかし、知名度が高い・知り合いだからという理由だけで事前に調べずに決めてしまうと、後悔や失敗する可能性は高くなるでしょう。
施工業者によっては、給排水工事・建築確認の申請費用を別途請求するところもあるため、最初の見積もりと契約のときよりも、支払金額が高くなる場合もあります。
追加料金がかかると予算オーバーしてしまい、住宅の設備を満足したものにできない可能性も。
注文住宅は何度も購入できるものではないため、いかに自分の希望を担当者に汲み取ってもらうかが大切です。
親身にあなたの要望を聞いてくれる業者を選ぶことが満足の行く家づくりへの近道です。
注文住宅の後悔・失敗ランキング6位|仕様・設備
注文住宅の後悔・失敗ランキング6位は仕様・設備についてです。
- 冷暖房効率が悪かった
- キッチンやトイレ選びにこだわりすぎた
- 防音対策がされていない
キッチンやトイレにこだわりすぎると、費用が高くなってしまいます。
せっかくだからアイランドキッチンにしたけど、実際に使ってみると「周りの視線が気になって落ち着いて料理できない」「手元が丸見えだから常にきれいにして置かなければいけない」などといった後悔に繋がる場合もあります。
また、トイレの標準仕様のほかに自動洗浄機能や音楽が流れる機能などをつけると、総額は高くなります。
便利だからといった理由で機能を追加しても、実際に使わないと費用が高くなるだけなのでコスパが悪いです。
ほかにも、エアコンの設置する場所が悪くて冷暖房効率が悪い、家全体を床暖房にしたために光熱費が予想以上にかかったなどのケースも。
注文住宅の後悔・失敗ランキング7位|デザイン
注文住宅は自由に壁紙や床材を選べるので、内装や外装のデザインにこだわる方が多いでしょう。
しかし、デザインで後悔や失敗した方も多くいます。
- 壁紙がイメージと違った
- 照明をつけると床材の色合いが微妙だった
- 家具や建具の相性が良くない
- 全体で見てみると統一感がない
- デザインにこだわりすぎて使い勝手が悪い
デザインにこだわりすぎると、かえって使い勝手が悪くなったという声もあります。
たとえば、造作洗面台は洗練された見た目のものや、カフェのような木製を用いたデザインなど、自由度が高く好きなデザインで設計できるのが魅力的です。
しかし、シンプルな設計になると収納スペースが足りないといった失敗もあります。
また、壁紙や床材はサンプルでは小さいイメージしか見られないため、実際に部屋全体に使用したところ「想像より派手に見える」「家具や建具との相性が悪い」と気づいて後悔に繋がります。
照明の明るさでも色合いや印象は異なるので、部屋のイメージを大きく左右する壁紙や床材を選ぶ際には、部屋全体が完成した状態をイメージして選ぶようにする必要があります。
注文住宅で失敗したこと
注文住宅を建てたあとに後悔や失敗をしても、簡単に変えられることはできません。
そのため、家づくりで大事なのは、事前に後悔や失敗しないための対策や注意をすることです。
家づくりの後悔や失敗のリスクをなくすために、実際に注文住宅を建てた人たちの失敗ポイントを把握して、自分の家づくりに役立ててくださいね。
- コンセントを増やせばよかった
- ランドリースペースをつくればよかった
- 玄関を広くつくればよかった
- 断熱性にこだわればよかった
- 日当たりの良い窓を設置すればよかった
- デスクスペースを作ればよかった
- 収納をもっと増やせばよかった
- ベランダに水道を増やせばよかった
- 2階にもトイレを設置すればよかった
- 動線を考えて間取りを組めばよかった
上記のほかにも、土地・間取り・内装・設備などそれぞれの項目でや失敗したポイントは多くあります。
注文住宅で後悔したことの詳しい例は、以下の記事で詳しく解説しておりますので、住宅づくりに役立ててください。
注文住宅で後悔しないためには?
注文住宅で後悔しないためのポイントを紹介します。
- 将来にも配慮して間取りを考える
- 返済計画をしっかり立てる
- 自分の理想に合うハウスメーカー選び
- 設計プランの打ち合わせは入念に行う
- 注文住宅の知識をつける
- 土地選びは周辺地域や環境をしっかり確認する
将来の生活スタイルに配慮して間取りを考える
注文住宅の後悔・失敗ランキングで1位になっているほど、間取りについて後悔や失敗を感じている方は多くいます。
間取りで後悔しないためには、現在の生活スタイルや家族形態に合わせる以外に、将来にも配慮して間取りを考えることが大切です。
住宅を建てるときは、子供がいたら人数分の部屋を用意する家庭は多いでしょう。
しかし、子供が大きくなって家を出ることになれば、夫婦だけで暮らすことになります。
夫婦が年を重ねていけばバリアフリーへの対応も考えなければいけないため、あとからリフォームをする可能性も考えて、間取りを設計するようにしましょう。
長く住み続けるには、数年後・数十年後も快適に住めるように、将来の生活スタイルにも配慮することが重要なポイントです。
返済計画をしっかり立てる
家づくりの際に、せっかくだからとオプションを追加して予算オーバーしてしまい、ローン返済の負担が大きくなったと後悔する方も多いです。
費用面での後悔・失敗をしないためには、返済計画をしっかり立てることが重要です。
多くの金融機関の公式サイトでは、住宅購入に必要な予算のシミュレーションができます。
事前のシミュレーションで月々に負担する額を把握しておけば、支出の見直しや適正な家づくりに向けて前向きに進めるのでおすすめです。
自分の理想に合う業者選び
家づくりで後悔しないためには、自分の理想に合うハウスメーカーや工務店などの業者選びが大切です。
業者選びのポイントは以下のとおりです。
- 自分のイメージの住宅に近い業者を選ぶ
- 公式サイトで施工例を確認する
- モデルハウスに直接足を運んでイメージや雰囲気を把握する
- 営業担当者の対応力、経験があるかどうかをチェックする
- 1社目で契約を決めずに複数の業者で比較・検討する
契約後に違うハウスメーカーを見つけて、「こっちにすればよかった」「こっちの業者のほうが自分のイメージに合っている」と後悔・失敗しないように、1社目で契約はせずに必ず複数の業者で比較・検討しましょう。
モデルハウスで業者の方と話す機会があれば、営業担当者が信頼できるか、提案力があって経験があるかもチェックしてください。
自分の理想を叶えてくれる業者を選ぶことができれば、理想に近い住宅が建てられる可能性も高くなります。
これから家づくりを検討する人には「タウンライフ家づくり」がおすすめです。複数のハウスメーカーに一気に見積依頼ができますよ!
設計プランの打ち合わせは入念に行う
業者を選んだあとは、設計プランの打ち合わせは入念に行うことが大切です。
自分の理想を伝えて、納得いくまで建築プランを提案してもらいましょう。
打ち合わせの時間を惜しまずに時間をかけてくれる業者は、あなたに親身になってくれている証拠でしょう。
また、打ち合わせの時間や回数に余裕を持つためには、自分に合う業者選びを迅速にできるかが重要です。
注文住宅の知識をつける
注文住宅の知識をつけることも、後悔しないために大事なポイントです。
家を建てたあとに「この設備があればよかった」「こっちの間取りにすればよかった」と後悔しても、住宅が完成してから建て直すことはできません。
そのため、注文住宅は業者にすべて任せるのではなく、自分でも知識をつけて後悔しないようにしましょう。
土地選びは周辺地域や環境をしっかり確認する
土地選びは、実際に住んでから気づく場合も多いですが、後悔・失敗しないためには、日当たりや最寄り駅までの距離など事前に確認できることは細かくチェックすることが重要です。
また、自分たちだけで土地を決めることはしないでください。
自分たちだけで土地を探して、土地を見に行って契約するのではなく、業者の営業担当者や設計士に土地探しを協力してもらうことで、土地選びの失敗はしにくくなる傾向があります。
業者に土地探しをしてもらうことは、インターネットにはまだ掲載されていない土地や自分たちでは気づけない土地のメリット・デメリット、希望に合う土地を見つけられるなどの多くのメリットがあります。
細かいところまで確認してくれる業者は、理想の住まいを叶えてくれる可能性があがります。
ただし、自分たちの希望を100%満たしてくれる土地はほぼ無いという気持ちで土地探しを行ってください。
土地の要望の優先順位を決めておくと、土地選びもスムーズにいきます。譲れないところ・妥協できるところは事前に決めておきましょう。
注文住宅におすすめの間取り
家づくりで最も重要といってもいいのが、間取りの設計です。間取りは失敗したとしても、あとから変更は簡単にできません。
実際に住んでみて「イメージしていたのと違った」「思ったよりも使い勝手が悪い」などの後悔をしないために、生活スタイルや目的にあわせた間取りを見つけることが重要です。
家族構成やライフスタイルによって快適な間取りは異なりますが、以下ではよく取り入れられている代表的な間取りを紹介していきます。
- 家族とコミュニケーションが取りやすい間取り
- 開放感がほしい方におすすめの間取り
- 家事動線を意識した間取り
- 収納を重視した間取り
家族とコミュニケーションを取りやすい間取り
広い1戸建てで、どこからでも家族の様子が確認できる、家族と会話ができる間取りは安心できますよね。
まずは、家族とコミュニケーションを取りやすい間取りを紹介します。
- 対面キッチン
- リビング階段
- リビング続きの和室
- ワークスペース
対面キッチン
対面キッチンは家族とコミュニケーションが取りやすいため、ファミリー層に人気の間取りです。
開放的でリビングが広く見えるメリットもあり、オープンキッチンともよばれています。
キッチンにいても、リビングにいる家族の様子を確認できるため、小さいお子さまがいる家庭にも安心です。
また、テレビの配置を工夫すれば料理をしながらテレビも視聴できます。
デメリットは、吊り棚がない対面キッチンだと収納量が減るので工夫して物を整理しなければいけない点です。
壁面やキッチン周りに十分な収納スペースを確保することで、収納が少ない悩みは解決できるので間取りを考えるときは収納量も配慮して対面キッチンを選びましょう。
リビング階段
リビング階段は、リビング内に階段を設けている間取りで、リビングイン階段とも呼ばれます。
リビング階段は、お子さまが大きくなっても家に帰ってきたら、必ず2階にあがるときにリビングを通るため、必然的に家族とのコミュニケーションが取れるメリットがあります。
会話が少なくなってきた思春期のお子さまも、1階と2階を行き来するたびに存在を確認できます。
リビング階段を採用する際に、スケルトン階段などデザイン性のあるものを設置すれば、おしゃれな空間が叶います。
リビング続きの和室
お子さまがいる家庭に多いのが、リビングに続いている和室を設けている間取りです。
18畳以上の広いリビングよりも、14.5畳リビングに4.5畳のリビング続きの仕切れる和室を採用することで、さまざまなメリットがあります。
- リビングやキッチンから目が届きやすい
- 小さいお子さまのお昼寝スペースとしても使える
- ドアを閉めれば気が散りにくくなるので学習部屋にもおすすめ
- 和室が散らかっても来客時はドアを閉めるだけでスッキリ見える
- 子どもが大きくなったら客室にすれば長く使える
リビング続きの和室や畳コーナーは、家族と距離感を保つのにもおすすめです。
引き戸やスクリーンを採用すれば独立するので、シチュエーションにあわせて空間を広くしたり、独立した空間にしたりと活用の幅が広がるのも魅力的です。
子どもが小さいうちは、お昼寝スペースや遊び場として使えば、リビングやキッチンにいながらお子さまの様子を確認できるなどのメリットがあります。
また、家事スペースとしても活用できるので、リビングにいる家族との程よい距離感を取れます。
ワークスペース
リビングの一角にワークスペースを設置するのも、家族とコミュニケーションを取るのにおすすめの間取りです。
リビング学習をする家庭が多いことから、注文住宅にワークスペースを設ける家庭は増えてきています。
リビング以外には、スキップフロアの踊り場や2階のホールのスペースに設置するケースもあります。
幅広のカウンターデスクにすれば、お子さまだけでなく大人も使えるため、家族で長く活用できます。
開放感がほしい方におすすめの間取り
土地や立地の関係で、間取りが限られていて十分なスペースを取れない家におすすめなのが開放感がある間取りです。
狭い家でも工夫次第で空間に広がりが出て、部屋全体が明るい印象になります。
天井高を高くするだけでも開放感があり、実際の部屋の面積より広く見えるメリットがあります。
- 吹き抜けの玄関
- 吹き抜けのリビング
- サンルーム
- 中庭を配置する
- テラスと繋がる土間リビング
吹き抜けの玄関
玄関を吹き抜けにすることで2階部分まで天井があくため、とても開放感があります。
吹き抜けの高い位置に窓を設置すれば、家に入った瞬間に明るさを感じられるため、家全体の印象も良くなります。
吹き抜けのリビング
リビングに吹き抜けを採用するのも、開放感があっておすすめの間取りです。
リビング階段をあわせれば、家族がどこにいるかわかるのと、コミュニケーションが取りやすいメリットがあります。
吹き抜けの窓から日光も入ってきてリビング全体が明るい印象にもなりますよ。
中庭を配置する
中庭のある家は、家の中にいながら外を感じられる開放感と、プライベート空間もつくれるのが特徴です。
中庭の設置は、道路に面している土地に注文住宅を建てる方にも向いています。
通常の庭だと道路に飛び出す心配がありますが、中庭があることで安心して子どもやペットを遊ばせられます。
日中は近隣の目を気にせずにバーベキューやプールを楽しめるため、家族の時間を大切にできます。
ただし、土地によっては中庭を作るのが難しい場合があり、排水対策も工夫しなければいけません。
テラスと繋がる土間リビング
一般的なフローリングではなく、土間リビングにしてテラスに繋がる間取りは、とても広々とした空間を楽しめます。
また、テラスと繋がる掃き出し窓をフルオープンにすれば、いつでも開放感のある空間がうまれます。
天気のいい日はテラスと土間を利用してアウトドアリビングとして楽しむのもいいですね。
家事動線を意識した間取り
家事動線を意識した間取りは、家事の時短にもなり、お母さんの負担が減ります。
とくに子育て中は家事を効率よく行えるかは間取りがとても重要になります。
ここからは、家事動線を意識した間取りを紹介します。
- 回遊できる水回り
- ランドリールーム
- パントリー
回遊できる水回り
キッチン・洗面・トイレ・浴室などの水回りすべて回遊できるようにした間取りは、効率よく家事ができるため、家事を時短したい方におすすめです。
たとえば、キッチンからすぐに洗面所や脱衣所に移動できれば、料理しながら洗濯物を取り込むなど他の家事も同時に行えます。
また、玄関から洗面所へすぐ行けるような間取りにすれば、帰宅してすぐに手洗いや汚れを落とせるメリットがあります。
玄関近くの手洗い場は、コロナ禍以降、注文住宅に取り入れる方も多いです。
ランドリールーム
洗濯室ともよばれるランドリールームは、洗濯から洗濯物を干す、洗濯物を畳んでアイロンがけまで全て行えるので、家事の効率がグッと上がります。
洗濯物がよく乾くように日当たりを考慮した間取りや、キッチンやリビングからすぐに移動できる位置にあると便利です。
パントリー
パントリーは、食材やストック品を保管できる収納場所として人気な間取りです。
戸棚程度の収納量から、電子レンジや冷蔵庫などの家電も隠せるほどの収納量が多いパントリーまでサイズはさまざまです。
パントリーのメリットは以下のとおりです。
- 多くの食品や日用品のストックができる
- 食品の整理整頓がしやすくなる
- 家事動線が良くなる
- 家電も収納すればキッチン周りがスッキリする
パントリーにはメリットがたくさんありますが、スペースを設けすぎるとリビングが狭くなるので、1階の面積の広さに合わせてパントリーの設置を検討しましょう。
また、パントリーの近くやキッチンの横に勝手口を設置するのもおすすめです。
勝手口からパントリーにすぐ移動できる間取りにすれば、買い物した食材をすぐにパントリーに置けるため、玄関からキッチンに運ぶという手間が減ります。
収納を重視した間取り
1戸建ては賃貸よりも収納が多いですが、家を建てた段階ではゆとりがある収納も、気づいたら物が増えていて、収納が足りなくなるケースが多いです。
住んでから「ここに収納スペースを設ければよかった」「収納を増やせばよかった」という後悔する声もとても多くあります。
そのため、収納スペースは生活動線を考慮したうえで、多めに確保したほうが良いでしょう。
以下では、収納を重視した間取りを紹介します。
- ファミリークローゼット
- ウォークスルークローゼット
- 洗面室収納
- 土間収納
ファミリークローゼット
ファミリークローゼットは、家族全員の衣類などを1か所に収納できるクローゼットのことをさし、ウォークインクローゼットともいいます。
ファミリークローゼットのメリットは以下のとおりです。
- 家族の衣類を管理しやすい
- 部屋が散らかりにくくなる
- 脱衣所の近くにあれば洗濯物を干してから収納までスムーズに行える
- 玄関近くに設置すれば帰宅から着替え、着替えから外出まで生活動線が快適になる
ファミリークローゼットは、家族が多くて衣類の管理が大変、衣類の収納に手間がかかる方におすすめです。
洗面室収納
洗面室に収納を設けるのもおすすめです。洗面台にも収納はありますが、細々したものしか収納できません。
浴室で使うタオル類やパジャマ、また洗濯の際に使う洗濯ネットや洗剤はすぐに取り出せる位置に収納できると便利です。
しかし、あとから収納を増やすためにカラーボックスや棚を洗面室に置くと、見栄えも悪くなり、脱衣スペースが狭くなるデメリットがあります。
クローゼットほど大きい収納ではなくても、洗面室にあらかじめ収納を設置しておくと、すぐに取り出せる位置に片付けられて、見た目もスッキリするのでストレスが減ります。
土間収納
土間収納はよく1戸建てに取り入れられている間取りです。
シューズクロークともいって、玄関横などに作られることが多い床が土間になっている収納場所をさします。
靴のほかにも、ベビーカーや自転車など、大きいものの収納にも便利です。
土間収納にカーテンやロールスクリーンをつければ、来客時は見えないようにしてすっきりした印象にさせられます。
土間収納は玄関から出入りできるタイプと、玄関ホールや廊下からも通じるタイプがあります。
また、土間からパントリーに繋がるようにすると、買い物したものをすぐに家の中に置けるので、いちいち靴を脱いでキッチンに運ぶといった手間も省けます。
自分に合う間取りを見つけるコツ
自分に適切な間取りを見つけるには以下のコツを押さえておきましょう。
- 人気の間取りが自分に合うとは限らない
- 各ハウスメーカーのカタログを見る
- 注文住宅の間取り失敗例を確認
- 過去の家の不満を振り返る
- 予算オーバーの場合は費用を抑える方法を考える
人気の間取りが自分に合うとは限らない
人気の間取りはたくさんの方が取り入れている間取りではありますが、家族構成や生活スタイルによって適した間取りは異なります。
そのため、人気の間取りが自分に合うとは限らないという考えでいることが大切です。
各ハウスメーカーのカタログを見る
自分に合う間取りを見つけるには、各ハウスメーカーのカタログでたくさんの間取りを見るのもおすすめです。
ハウスメーカーのカタログには、工法や性能のことのほかに間取りや写真も多数載せているため、イメージがしやすく自分に合うかどうかも判断がしやすいメリットがあります。
また、家事動線が良い間取りやテレワークに向いている間取りなど、いま流行っている間取りも把握できます。
間取り例には家族構成が載っていることも多いため、自分に似ている家族構成の間取りは参考になるのでおすすめです。
注文住宅の間取り失敗事例を確認
ハウスメーカーの間取り例をたくさん見るのもおすすめですが、注文住宅の間取り失敗例も把握しておくことは重要なポイントです。
家づくりの先輩たちの失敗事例をみて、自分も必要がないと気づくことや、逆にあったほうがいいかもと理想のマイホームにいかすことができます。
過去の家を振り返る
ハウスメーカーのカタログや間取りの失敗事例を見ていると、理想の間取りや自分に合う間取りがだんだんと見えてきます。
しかし、実際に自分が住んでみて合うかどうかはわかりません。
そこで、過去に住んでいた家を振り返ることで、自分が住んでいて良いと感じたところや不便に感じたところがみえてきます。
実際に住んだ経験を振り返ることは、生活しているイメージがしやすいのでおすすめです。
過去の不満をなくすように、家づくりにいかせば満足度も自然と上がるでしょう。
注文住宅の後悔・失敗ランキングのまとめ
今回は、注文住宅の後悔・失敗したことをランキング形式で紹介しました。
多くの人が注文住宅で後悔・失敗した項目は次のとおりです。
- 間取り
- 費用
- 日当たり
- 土地選び
- 業者選び
- 仕様・設備
- デザイン
注文住宅は自由度が高いのが魅力的ですが、詰め込みすぎるとかえって生活がしにくくなってしまうといった失敗もあります。
注文住宅で後悔しないために、将来のことも見添えて間取りの設計や返済計画を立てたり、土地選びは慎重に行うなど、時間をかけて納得行くように細かく決めることが大切です。
また、家づくりには業者との相性も重要な要素となるため、1社目で契約はせずに、必ず複数社を比較・検討するようにしてください。
注文住宅は一生に一度の大きな買い物なので、しっかりと理想のイメージを決めてから妥協はせず、納得いくまで打ち合わせを重ねましょう。
ぜひ本記事を参考にして、理想の注文住宅を建ててくださいね。
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